夏が来る前に終わった夏
生涯で一度きりの大舞台
そう、幼い頃から漠然と見ていた夢
いつの頃か、努力を続ければ叶うかもしれないと思い始めた
だから、灼熱の太陽の下、凍てつく寒さの中
毎日毎日、練習に明け暮れた
夏が来る前に終わった夏
精魂尽くした日々が無駄ではないにせよ
別の色のゴールテープを目指すにせよ
この夏が終わったことには変わりがない
次のステージで経験が生かされようとも
将来、大金持ちになったとしても
この夏は二度と戻って来ない
勝負がしたかった
割り切れない現実なんて、そこかしこに転がっている
分かってはいるけど、涙がこぼれた
顔を上げれば、グラウンドに膝を落とした仲間がいた
僕を励ましてくれたあいつは、どんなに悔しいことだろう
背後を向けば、グチャグチャに顔を濡らした大人がいた
僕を支えてくれたあの人は、どんなに切ないことだろう
同じ時間、同じ夢を追いかけた仲間達
こいつらを信じてきてよかった
しょげくりかえった僕に、寄り添ってくれた大人達
本当にありがとうございました
人は一人じゃ生きられない
少なくとも、そのことは実感できた
それだけでも、がんばった甲斐があった
恩返しは、違った形でしたいと思います